「あめおめ!ことよろ!」。これが私に掛かってきた今年最初の電話の第一声だ。従来の「明けましておめでとう。今年もよろしく」という挨拶はここ数年、呪文のようなわずか8文字の言葉に変化しつつある。もちろん、ごく親密な関係であるので怒りを覚えるとか、不愉快になることはない。ただ、年に一度しか聞かない挨拶であるだけに、その言葉を聞いた瞬間に「あ、変わった」と戸惑うのだ。昨年までは「明けまして〜」だったのに、と。
この呪文はメールだと更に目にすることが多い。メ−ルと言えば、以前はパソコンに限られていたが、1999年にNTTドコモの「iモードサービス」が開始されて以来、爆発的に普及した。今や猫も杓子もメール、メールである。こういう広がりはあらゆる「才能」を持つ人種をインターネットに連れてきた。迷惑メ−ルや架空請求といったずる賢い才能や、冒頭の呪文を発明する才能だ。3〜4年前に初めてこの呪文を聞いたときは、こういう「軽薄短小」な挨拶は受け入れられはしないと思っていたのだが、現在でも当然のように使われている。しかも、メールの世界を飛び出して電話や郵便といった従来のツールにも侵食してきた。つまり、何が言いたいのかというと、ジョン・ボン・ジョヴィも変わったということなのだ。 今回紹介するのは1990年にリリースされたジョンのソロアルバムで、映画「ヤング・ガン2」のサントラでもある。しかし、これがジョンとバンドにとっての大きな転機だったことは間違いないだろう。当時、バンドは長期間のツアーが終了し、休養に入っていた。ソロ活動をスタートさせたジョンは、たまたま撮影現場に顔を出し、俳優業に興味を持ち出すのである。やがて、M3「Blaze Of Glory」がシングル売り上げでバンドを抜いてしまい、バンドとの確執が表面化。バンドが2年後に「Keep The Faith」をリリースするまでは、解散説などの悪いニュースばかりなのに対し、ジョンはトレードマークの長髪をバッサリ切って映画やテレビ出演に精を出していたものである。 なぜ、こんな事を思い出したかというと、正月のテレビが退屈なので、アメリカのTVシリーズ「SEX and the CITY」を借りてきて観ていたら、ジョンが出演していたのだ。まあ、それは良しとしよう。長髪を切ったことも当時は寂しかったが、過去のことだ。しかし、許せないのを発見してしまった。ベッドシーンであらわになったジョンの胸毛がないのである!ジョンよ、お前は魂まで売ってしまったのか…と感じた正月休みでした。ということで、あけおめ!ことよろ!(笑)
by velvet_iris
| 2005-01-05 19:42
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