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Smashing Pumpkins / Mellon Collie And The Infinite Sadness(1995)
a0026447_23415947.jpg 「ロックバンドは成功すると、必ず二枚組のアルバムをリリースする。間違いないっ!」長井秀和ではなくともこう叫びたくなるのは私だけではないはずだ。ビートルズは9作目、ツェッペリンは6作目、フーは4作目、ストーンズは、えーっと…16作目かな。とにかく、ある程度売れて金と名声を得たバンドが次に狙うものは「ものすごい大作」という金字塔ではないだろうか。バンド側の言う「アルバムのコンセプト上の都合」とかいう意見は建て前だろう。実績のない新人バンドがそんな事を言ってもレコード会社は聞いてくれないはずだ。

 今日のアルバムはスマッシング・パンプキンズが「ものすごいアルバムを作ってやる」と公言して作り上げた二枚組の3rdアルバム「メロンコリーそして終わりのない悲しみ」。本作が二枚組となったのも、やはり500万枚のセールスを記録した前作のヒットがあったからこそである。一見「調子に乗ってる」ようでもあるが、逆に言えば「充実している」時期のバンドだけに完成度は高い。オープニングからM2「Tonight, Tonight」への流れは鳥肌モノの美しさがあるし、ラストM28「Farewell And Goodnight」のエンディングまで静と動、光と影、3分以内の曲から10分近い曲までもが詰め込まれている。その“詰め込み”が最初はお腹いっぱいに感じ「一枚にしてくれれば良かったのに」と思ったものだが、長く聴き続けていると二枚組になった理由が分かる。悪く言えば「特出した曲がない」のだが、これは全体的に質が高いため。良く言えば「捨てる曲を選べない」ということだろう。

 二枚組アルバムはバンドのターニングポイントとなることが多い。GUNS N' ROSESは「楽曲の在庫一掃」と称して30曲をダブル・アルバムとして同時発売してから14年間もアルバムリリースできていない。スマッシング・パンプキンズも本作の700万枚というセールスが仇になり、次作の不振が解散の引き金になってしまった。
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by velvet_iris | 2005-02-28 23:45 | P/Q/R/S
Strawberry Switchblade / Strawberry Switchblade(1997)
a0026447_21575576.jpg 1971年生まれの私にとって80年代は9歳から19歳、まさに子どもから大人へと成長した10年間だった。恋にケンカに勉強にスポーツ、いろんな事に興味を抱き、初めての経験を繰り返していた10年間なので「80年代」という言葉の響きだけで甘酸っぱい想いが込み上げてくる世代だ。小学生の頃から洋楽ロックを聴いてきた私でも、当時流行したポップスを聴くと耳が覚えているし、心だけがあの頃にタイムスリップして少し素直になれるような気がする。

 今日のアルバムは1985年にヒットしたストロベリー・スウィッチブレイドの唯一のアルバム「ふたりのイエスタデイ」に9曲のボーナストラックを追加し「ふたりのイエスタデイ+9」というタイトルで日本独自企画・再発されたものだ。なんといってもタイトル曲のM1「Since Yesterday」は懐かしく、イントロのトランペットが流れた瞬間に14歳へ戻ってしまう。TVCMにも使用されたM14「Ecstasy」は、普段ロック好きと公言している人間が聴くのは抵抗があるくらいポップな曲だが、懐かしすぎてどうでも良くなる。アルバムライナーを読んで初めて知ったのだが、この「Ecstasy」という曲はCM用に日本サイドで制作されたそうで、作曲にはブルー・コメッツの故・井上大輔氏も加わっているとのこと。井上氏といえばガンダムの主題歌を歌い、数々のJ-POPを手掛けた人だが、スコットランド出身のこの女性デュオにも曲提供をしていたとは驚きである。

 アルバム全体にエレクトロニクスが導入されている点は“時代”を感じさせるが、ジルとローズのハーモニーには不思議な魅力があると思う。私にとっては魅力というより魔力に近い。なぜなら他にもヒットした80年代の洋楽ポップスはたくさんあるのに、「80年代」というキーワードだけでこの二人を思い出してしまうからだ。
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by velvet_iris | 2005-02-27 22:01 | P/Q/R/S
Bon Scott(1946−1980)
a0026447_456137.jpgAC/DCの元ヴォーカリスト。

1980年2月19日、ロンドンにて急死。
享年33歳。

原因は睡眠中の嘔吐物による窒息死。

酒枯れたような声、袖をカットしたGジャンに胸毛、お尻の左右に彫られた「AC」「DC」というタトゥー、彼のイメージはワイルドなロックシンガーのイメージそのものだ。

バンドの機材トラックの運転手を経てヴォーカリストの座を掴んだボン・スコットは、バンドにとって“メルボルン発、世界行き”の運転手でもあったが、目的地を前にしてひとり天国へ旅立ってしまう。バンドの中心メンバーであるヤング兄弟にとって、同じスコットランド移民のボンは単なるヴォーカリスト以上の存在だっただけに、彼の死はバンド解散を考えるほど大きな出来事だった。

弔衣のような黒一色のジャケット、弔鐘のように鳴り響く「Hell Bells」のイントロ。悲しみを乗り越え制作された「Back In Black」は史上最も売れたロック・アルバムとなり、世界という目的地に到達した。それから25年、AC/DCというトラックには終点など無いかのように現在も走り続けている。
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by velvet_iris | 2005-02-19 04:09 | R.I.P.
良い子のヘビメタ学習帳
junedropさんに教えてもらったサイトがとてもツボだったので皆さんにもおすそ分け。
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HR/HM界のなかでも特にアクの強い7バンドを図鑑形式で面白おかしく紹介しています。
子どもが泣き出しちゃいそうな写真のチョイス、ルビをふったコピーや文章のセンスに脱帽です(笑)。

良い子のヘビメタ学習帳
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by velvet_iris | 2005-02-16 06:35
V.A. / The Rolling Stone Women In Rock Collection(1998)
a0026447_18344266.jpg 私は雑誌が好きだ。小学生のころ読み続けていたのはマンガ誌だが、マンガ以外で雑誌を買いはじめたのは何だろうと思い出してみた。20年以上も前なので曖昧だが、たぶん「ポパイ」とか「ホットドッグ・プレス」だろう。やがてオシャレに目覚めた頃はDCブランド全盛時代だったので、「チェックメイト」やら創刊されたばかりの「メンズノンノ」を読んでいた。音楽誌では、ひとつ年上の兄が毎月「BURRN!」を購入してくれていたおかげで私は「ミュージック・ライフ」や「インロック」「ポップ・ギア」をその月の気分で購入していた。ギターを弾きはじめてからは「ヤング・ギター」「ギター・マガジン」「Player」なども加わったので、狭い部屋には雑誌が山積みになっていたものだ。

 やがて好きなアーティストが見つかるとその情報を得るために洋書へ走ってしまうのだが、よく購入していたのが「Kerrang!」と「RollingStone」である。今朝iPodが再生したアルバムはローリング・ストーン誌の名を冠したコンピレーションで、50年代から90年代のあらゆるジャンルで活躍した女性アーティストの曲が全48曲、3枚のCDに収められている。アレサ・フランクリン、ダイアナ・ロス、キャロル・キング、リンダ・ロンシュタット、ドナ・サマー、プリテンダーズ、ジョーン・ジェット、ティナ・ターナー、チャカ・カーン、ユーリズミックス、バングルス、マドンナ、サラ・マクラクラン等、豪華絢爛のアルバムである。購入した当時は一作品でこれだけのアーティストが聴けるアルバムは貴重だったが、iTunes+iPodが発表されてからは有り難みがなくなってしまった。

 現在は雑誌を毎月購入することもなくなり、音楽誌でも「rockin' on」と「BURRN!」をたまに買う程度だ。捨てられずに保管してある雑誌はMac誌をはじめ仕事関連の雑誌の方が多い。ファッション誌が一冊も見当たらないところは既にオヤジ化している証拠だろうか。
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by velvet_iris | 2005-02-13 18:45 | V.A.
Carole King / Tapestry(1971)
a0026447_2194385.jpg 先日コンビニで購入したロールパンの賞味期限が切れていた。一口食べてパンに含まれるレーズンの味がおかしいことに気が付いたのだ。表示を見ると2日経過している。自分で購入した食品の賞味期限を忘れることはあっても、買ったばかりの商品に気が付いたのは初めてだ。普段買い物で利用するスーパーやコンビニで表示を見ない私は、小売業が意外とルーズだという事と鮮度の重要さを改めて感じた。鮮度はなにも食品に限ったことではない。映画、文学そして音楽にも鮮度は存在すると思う。

 私の大好きな作家のひとり、星新一(ほし・しんいち)は鮮度にこだわった作家だと思う。しかし、それは新鮮さを追求することとは正反対、つまり腐らせないための表現である。彼は「時事風俗を扱わないこと」「前衛的な表現を用いないこと」を自らに課し、登場人物や背景をシンプルに描写し続けた。1997年に亡くなるまでに1000編以上の作品を発表しているが、いずれの作品も読者に古さを感じさせることはない。小説が描写の部分から腐りはじめるならば、音楽はどこから腐っていくのだろうか。

 今朝iPodが再生した曲はキャロル・キングの「君の友だち」だった。34年前に発表された彼女のソロ第2作目「つづれおり」の7曲目である。アルバム自体あまりにも有名なので古い作品だということは分かるが、曲そのものは決して色褪せていないと思う。ピアノやアコースティックギターだけを使用してシンプルな演奏を心掛ければ少なくとも時代を感じさせられることはない。しかしこのアルバムでは、エレクトリック・ギターやベース、ストリングスにパーカッションも聴こえてくるし音数も決して少なくない。個性的な歌唱法ではないが、やたらメロディが頭に残るのは何故だろう。本作が大ヒットした当時の背景について、萩原健太氏はアルバム・ライナーで「キャロル個人がやっていることは基本的には何ひとつ変わらない。が、シーンが変わった。時代の空気感が変わった」と書いているが、34年経過した現在でも色褪せる事なく輝いているのは何故だろう。もちろん簡単に解説できていたなら今ごろ印税生活なんだろうけれど。

 賞味期限の切れたレーズンロールは一口かじって食べるのをやめた。怒りはしなかったが店側には知らせておきたいと思ったので、たまたま残っていたレシートと共にコンビニへ持って行ったら交換してくれた。普段は表示を見ない私だが、それ以来レーズンロールの賞味期限だけはチェックしている。
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by velvet_iris | 2005-02-10 21:18 | A/B/C
Motley Crue / Shout At The Devil(1983)
a0026447_1853430.jpg 私はヘビメタが嫌いだ。いや、正確に言うならば「ヘビメタ」という呼称が大嫌いなのである。思えば「ヘビメタ」という呼称が一般層に定着してしまった元凶はテレビ番組ではないだろうか。80年代の人気番組「天才たけしの元気が出るTV」。この番組の罪は「ヘビメタ」という言葉とともに「騒がしい音楽」「クレイジーな言動」「奇抜なファッション」というマイナスイメージを一般層へ植え付けたことだ。そして番組に出演して笑い者となった彼等の、奇抜と思われていたファッションの模範こそがこの時期のモトリー・クルーである。

 本作はモトリーが本格的なブレイクを果たした2ndアルバムだが、ジャケットを見ればその「奇抜さ」の一端が分かってもらえるだろう。逆毛を立てた髪に強調したシャドー、派手なレザーに身を包んだ彼らのファッションは、先駆者であるキッスやニューヨーク・ドールズよりも受け入れ易かった。それは一口に時代と言えなくもないが、モトリーがビジュアルを含めたイメージ戦略が巧みなバンドだったことは間違いない。サウンドも疾走感溢れるM2「Shout At The Devil」やビートルズのカヴァーM6「Healter Skelter」、オリエンタルな雰囲気のM8「Too Young To Fall In Love」など秀作揃いである。彼らをはじめとする欧米のHR/HMはアメリカでも迫害を受けた実例があるが、それ以上に尊敬し愛するファンも多い。しかし、日本におけるヘヴィメタルのマイナスイメージはその後、聖飢魔IIの出現によって揺るぎのないものとなった。

 10年前の私も背中までの長髪の、いわば「ヘビメタの人」だった。初対面の人に訊かれるのはいつも「バンドやってんの?」だし、それに続く質問は必ず「ヘビメタなの?」である。悪気のない確信犯には「そう、ヘヴィね」と答えるが、そうでない者に対しては「ヘヴィだよ、ヘヴィ!」と一喝していたものだ。最近「ヘビメタ」という言葉が聞かれなくなった背景には、私のような「元ヘビメタの人」による地道な「ヘビメタ撲滅運動」の成果があるだろう。彼らの多くは現在は短髪でネクタイをしていたり、太ってしまって面影すらない。それでも、もしあなたが「ヘビメタ」という言葉を発したときに眉間にシワを寄せた人がいるなら、その人は「元ヘビメタの人」かもしれない。
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by velvet_iris | 2005-02-08 20:25
Stereophonics / Word Gets Around(1998)
a0026447_16435389.jpg 新人バンドのアルバムを聴くとき、アルバムの1曲目は私にとって重要だ。1曲目、いやもっと細かいことを言えば、イントロ15秒くらいの「好き嫌い」でアルバムの聴き方が変わってきてしまう。「好き」だと思えば期待を膨らませて真剣に聴くが、「嫌い」だと思えば雑誌を読みながらとか、下手をするとテレビに見入っていたりする。困ったものだが、どうしてもそうなる。

 ステレオフォニックスのデビューアルバムは、この「15秒」が完璧だった。M1「A Thousand Trees」は、2つのギターコードとシンバルで静かに始まり、ケリー・ジョーンズのヴォーカルが飛び込んでくる何気ないイントロではあるが、そのギターの歪み具合とケリーのハスキーさが私の好みにマッチしたのだ。もうそれからの16曲(日本盤ボーナストラック含む)は、あっという間に終わってしまった。今思うと、どの曲が1曲目に位置しても結局私は好きになったなと思った。全曲が良い意味でキャッチーだし、ケリーの歌唱と声が好きだ。M8「Same Size Feet」の最初のほうの語るような地声はヴェルヴェットのように滑らかなのに、激しさが増すとハスキーさも相まって、エッジが出てくる。この時期にデビューした新人バンドの中では、一番好きなヴォーカリストだ。

 同時期に聴きまくっていたUKのバンドの多くは、ここ数年転機を迎えている。解散したクーラ・シェイカー、とんでもない次元へ行ってしまったレディオヘッド。音沙汰のないオアシス。相変わらず聴き続けているのはアッシュとステレオフォニックスくらいだ。3月には新作がリリースされるが、もちろん私にとっての最重要な一枚である。
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by velvet_iris | 2005-02-05 16:56 | P/Q/R/S
Karen Carpenter(1950−1983)
a0026447_227739.jpgカーペンターズ。

1983年2月4日、自宅で病死。
享年32歳。

原因は拒食症に伴う急性心不全。

光あるところ影がある。眩しい笑顔に輝く白い歯、仲の良い家族。カーペンターズは「健全なアメリカ」の象徴のように捉えられていたが、現実は兄リチャードの睡眠薬中毒や母親との軋轢など様々な問題を抱えていた。

カレン自身も極端な肥満への恐怖心があり、過度のダイエットと精神的ストレスから拒食症になってしまった。身長163cmのカレンは23歳頃からダイエットを始めるが、2年後に拒食症で倒れてしまう。一時は体重36kgまで痩せ細ってしまいながらも拒食症の治療を始め、回復に向かっていると思われた「Voice Of The Heart」(1983)の制作中に病状が悪化、帰らぬ人となってしまう。3年前に結婚したばかりのことだった。

ちなみにラストテイクは1曲目の「Now」だといわれている。体調が万全ではなく“仮唄”の段階だったとのことだが、それを感じさせない完璧なヴォーカルには驚かされる。是非一度聴いてみて欲しい。
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by velvet_iris | 2005-02-04 02:29 | R.I.P.
Sid Vicious(1957−1979)
a0026447_14444474.jpgSex Pistolsの元ベース・プレイヤー。

1979年2月2日、グリニッジ・ヴィレッジのアパートで急死。享年21歳。

原因はヘロインの過剰服用。

恋人のナンシー・スパンゲン殺害容疑で逮捕されたシドは、4カ月後に自殺ともとれる死を遂げる。その際、手書きの遺書を残していた。

「僕らは一緒に死ぬ約束をした。その約束を果たさなければ。彼女と一緒に埋めて欲しい。革ジャンにジーンズ、モーターサイクル・ブーツを履かせて。さよなら」

一緒に埋葬される事はナンシーの家族によって拒否されるが、シドの母親はシドの灰をナンシーの墓石に振りかけたという。
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by velvet_iris | 2005-02-02 14:45 | R.I.P.