カテゴリ:T/U/V( 10 )
Thin Lizzy / Black Rose(1979)
a0026447_1926585.jpg 若い世代に「シン・リジィ」と訊いてもピンとくる子は少ないかも知れない。ただし、ザ・ダークネスのファンであれば「どこかで聞いたことあるような…」と言う子も多いだろう。ザ・ダークネスのギター・プレイヤー、ダン・ホーキンスがいつも着ているTシャツのバンドである。シン・リジィが解散してから早20年以上経ち、リジィの新作を聴くことはできなくなっても、「リジィに影響を受けた」というミュージシャンは後を断たない。本作はそんな唯一無二のバンド、シン・リジィの10作目である。

 リジィの名前を知っているHRファンなら、あのゲイリー・ムーアやジョン・サイクスが在籍していたということくらいは知っているだろう。しかし、ジョンが参加したのは最後のアルバム「Thunder And Lightning」(1982)一枚のみ。ゲイリーがフル参加しているのも唯一、本作「Black Rose」のみである。アルバムの内容はM1「Do Anything You Want To」からまさに“リジィ節”炸裂である。4人編成となってからの独特のグルーヴとツイン・ギター、特にゲイリーの奔放な速弾きは際立っている。また、フィルの作詞にも注目したい。M6「Got To Give It Up」で自らのドラッグ癖を戒めていると思えば、愛娘サラに捧げたM5「Sarah」の父性愛溢れるあたたかくストレートな歌詞は感動的だ。

 しかし、このアルバム制作を挟んだ約1年間バンドと生活を共にしたゲイリーは、フィルをはじめとするメンバーのアルコールとドラッグ癖に嫌気がさし、失踪・脱退してしまう。1986年にフィルが亡くなるきっかけとなるドラッグはこの頃から本格化したというから、現在も現役のゲイリーにとっては文字どおり「運命の別れ道」だったのかもしれない。
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by velvet_iris | 2005-09-05 19:27 | T/U/V
The Velvet Underground / Loaded (1970)
a0026447_19301879.jpg 気が付けば3月ももう終わり。今日は曇り空だったが、連休中は春が目前に来ているのを実感するような良い天気だった。季節だけではない。学生は入学・進学・卒業、社会人は人事異動のシーズンでもある。あらゆるものが変わる時期だ。中村勘九郎は勘三郎になり、林家こぶ平も正蔵となった。朝青龍のまわしも金色に変わったし、ドラえもんの声も変わる。ついでにニッポン放送の社長も変わりそうだ。

 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの4作目も二つの大きな変化があったアルバムである。ひとつはジャケット。それまでのヴェルヴェッツのアルバムジャケットといえば、ファーストのバナナでお馴染みのアンディ・ウォーホルだったが、本作はポーランド生まれのデザイナーが手掛けている。ヴェルヴェッツの事を知らず、あの有名なウォーホルの後を継ぐというプレッシャーなど皆無で描かれたジャケットにはなぜか地下鉄の階段。ニューヨーク生活が短かったために“アンダーグラウンド”を地下鉄と勘違いしたというエピソードは笑えるが、芸術センスのない私にとっては、あんなバナナよりもこちらのほうが断然好き。バナナ柄のTシャツは1枚も持っていないが、この柄のTシャツは2枚持っているほどだ。そしてもうひとつは、本作リリースの1ヶ月後にルー・リードが脱退したこと。といってもレコーディングには参加しているのだが、いかんせんヤル気ゼロだったと言われている。結局、事実上のラストアルバムとなってしまった本作だが、M2「Sweet Jane」やM3「Rock & Roll」などヴェルヴェッツの代表曲も多く、私にとって重要なアルバムだ。後年、別ヴァージョンやデモ音源など未発表の音源を多数加えた「スペシャル・ヴァージョン」が発売されたのも記憶に新しい。

 3月末といえばテレビ番組改編の時期でもある。テレビっ子の私にとって金曜夜のお楽しみだった「特命係長 只野仁」が終わったし、パックンマックンの夕刊まわしYOMIでお馴染みの「ジャスト」も終わる。パックンは別として、マックンの今後が不安になるのは私だけではないはずだ。
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by velvet_iris | 2005-03-22 19:35 | T/U/V
U2 / October(1981)
a0026447_1962776.jpg ロックバンドに付き物なのはメンバーチェンジだ。メンバーチェンジの理由としては、メンバー同士の不仲による脱退、メンバーの死亡、ドラッグやアルコール漬けなど病気によるリタイアや解雇が多い。他のバンドに引き抜かれるという場合もある。志をひとつにしてデビューしても、十数年経てば方向性や気持ちの面にズレが生じてくるのは普通のことだ。まったくメンバーチェンジをしないバンドを探す方がむずかしい。というか、とっさに思いつくバンドはひとつだけ。そう、U2である。

 今日のアルバムはU2が1981年にリリースした2ndで、最新作「How To Dismantle An Atomic Bomb」で再びプロデュースに参加したスティーヴ・リリーホワイトがプロデュースを務めている。いわゆる“初期U2”だ。たしか私がU2を聴いたのは次作の「War」が最初。それから「The Joshua Tree」リリースまでの4年間くらいで時系列を無視した聴き方をしていたので、プロデュースがブライアン・イーノに移ったことも気に留めていなかった。それでも「Boy」とこの作品についてはなんだか暗いイメージが強かったのを思い出す。それから20年近く聴き続けている現在でも、目を閉じて浮かんでくる情景は、冷たい北風が吹き付ける荒野という感じだが、逆にそれがU2らしいんじゃないかとさえ思う。のちに発売されたベスト盤「The Best Of 1980-1990」では1曲も収録されておらず、冷遇されている印象が強いアルバムだが、私がU2のベスト的なものを作るとしたらM1「Gloria」や、M7「October」を欠かすことはできない。

 一切メンバーチェンジををせぬまま、25周年を迎えるU2。気になるのは来日公演だ。すでにオフィシャルサイトにはワールドツアーの日程が発表されているが、6月〜8月はヨーロッパ、9月〜12月中旬までは北米ツアーの日程がギッシリ。残念ながら日本公演の日程は発表されていないが、12月下旬以降もしくは、ヨーロッパツアーと北米ツアーの間、8月末くらいが怪しいかもしれない。

 ■ VERTIGO//2005' WORLD TOURの詳細はコチラ
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by velvet_iris | 2005-03-15 19:13 | T/U/V
U2 / The Best Of 1980-1990(1998)
a0026447_1441669.jpg 今年も残り10日となってしまった。思えば、私が個人的に2004年の発売を期待していたアルバムは多かった。最も期待していたガンズ・アンド・ローゼズの新譜は、結局発売に至らなかったものの、ベテランから新人バンドまで様々なアルバムが発売された。先月発売されたU2の新作「How To Dismantle An Atomic Bomb」も、期待していたアルバムのひとつだった。具体的な感想はいずれ書くが、個人的に先行シングル「Vertigo」が気に入っていたのと、やたら「ロックの原点回帰〜」といった宣伝文句のせいで過剰な期待をしてしまって、いざ手にしたときは満足できなかった。とは言え、デビュー24年目を迎えたバンドらしい安定感と存在感はさすがの一言に尽きるアルバムだった。

 今朝iPodが再生したのは、彼らがアルバム「Boy」でデビューした1980年からの10年間(正確には1988年の「Rattle And Hum」までの8年間)の代表曲を網羅したベスト盤。スタジオレコーディング6枚のアルバムから全15曲が選曲されているのだが、最高セールスを記録した1987年の「The Joshua Tree」と翌年の「Rattle And Hum」から5曲づつ、3rdと4thから2曲づつ、デビューアルバム「Boy」からは1曲、2ndは無視されたという構成だ(笑)。

 新作のレビューを読んでいると「初期のような〜」という表現をよく見かけるが、果たしてどこまでが「初期」なのだろう。ある人は、スティーヴ・リリーホワイトがプロデュースを手掛けた3作目までと言えば、ある人は「Rattle And Hum」までとも言う。後者ならば、このアルバムは「初期U2のベストアルバム」という事になるのだが、果たしてそう簡単に区別することができるだろうか。良くも悪くも24年間トップに位置するバンドである。「Pop」のように、時代に合わせた変化の“振り幅”に差こそあるが、劇的な変化は遂げていないと私は思う。新作から聴きはじめた人はこのアルバムで聴き比べてみるのも良いかも知れない。
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by velvet_iris | 2004-12-22 01:49 | T/U/V
TOTO / TOTO IV(1982)
a0026447_14282595.jpg 私がTOTOという響きで連想するのは「便器」であり「アフリカ」であり「ロザーナ」である。「便器」というのは、「バンド結成前のメンバーが来日した際に、日本の便器を見てバンド名にした」という有名な噂のことだ。しかし、噂の出所を確かめたことがないので、いわゆる“都市伝説”かもしれない(一方では、ラテン語で“全て”という意味の「Totus Toti」に由来しているという説もある)。残りの「アフリカ」「ロザーナ」は、言わずとも知れたTOTOのヒットシングル。そのシングル2曲を含み、グラミーを総ナメしたTOTOの4作目、邦題「聖なる剣」が今朝のアルバムである。

 オープニングM1「Rosanna」とラストのM10「Africa」は、それぞれ全米2位、1位を獲得したTOTOの代表的なナンバーであり、同時に80年代の代表曲ともいえるだろう。それ以外にも、ルークのギターソロが美しいM3「I Won't Hold You Back」や、M2「Make Believe」、M9「Waiting For Your Love」など名曲揃いのアルバムだと思う。幾重のメンバーチェンジやドラムのジェフ・ポーカロの死という不幸に見舞われながらも、デヴィッド・ペイチとルークを中心に現在も変わりない良質のAORを聴かせてくれているTOTO。オリジナルアルバムはご無沙汰だが、9月には来日公演も予定されている。

 ちなみに、1982年といえばコンパクトディスクが世界で初めて発売された年でもある。当初は、確実に売り上げが見込めるタイトルしかCD化されなかったものだが、クラシックや人気歌謡曲に交じり、このアルバムもCDとして発売された。つまり、世界最初のCD(全50タイトル)のひとつだそうだ。初回プレスを所有しているなら、それは「お宝」かもしれない。

 ■ 「初めてのCDタイトル」はコチラ
 ■ TOTOも出演する「東京JAZZ 2004」の詳細はコチラ
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by velvet_iris | 2004-08-26 14:29 | T/U/V
Van Halen / OU812(1988)
a0026447_1593424.jpg “アメリカのヨッちゃん”ことエディ率いるヴァン・ヘイレンの8thアルバム。ヴォーカルは前作「5150」(1986)に続き、サミー・ヘイガー。アルバム全体的に、エディのプレイは若干控えめな感じを受けるが、その分、サミーのヴォーカルと、マイケルのコーラスが際立っており、落ちついた雰囲気が漂っている。1stのようなノリ目当てのファンには地味に感じてしまって物足りないかもしれないが、聴けば聴くほど味わい深いアルバムだと思う。個人的には、M2「When It's Love」のエモーショナルなソロが大好きである。

 ところで、ヴァン・ヘイレンといえば、マイケル・アンソニーの頭髪の生え際と同じくらい、不思議なタイトルをつけることで有名だが、本作の「OU812」は「Oh, You Ate One, Too!(おー!お前もそれ食ったのか!)」の意味で、デイヴ・リー・ロス1986年発表のソロアルバム「Eat 'em And Smile(エディを食らえ)」へのアンサータイトルらしい。

 ちなみに、今朝の1曲目はM6「Feels So Good」。最新ベスト盤「The Best Of Both World」にも含まれているので、シャッフル再生にしてはタイムリーだと思ったが、マスターヴォリュームの違いでiPodのディスプレイを見る前に分かった。さすがリマスター。

 ■ “本家”ヨッちゃん率いるThe Good-Byeのニュースはコチラ(HMV Japan)
© WARNER BROS. RECORDS INC.

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by velvet_iris | 2004-08-15 15:15 | T/U/V
The Velvet Underground / The Velvet Underground(1969)
a0026447_16135072.jpg 今まで普通に聴いていた曲が、いつのまにか特別な曲になってしまうことがある。素晴らしく出来の良い曲でもないのに、自分にとって最高の曲になることがある。

 本作はルー・リード率いるヴェルヴェット・アンダーグラウンドの3rdアルバムだが、発表当時の1969年、私は産まれていないどころか精子でもない。購入したのは17歳の頃である。“とりあえず買っとけ”のノリで購入したものの、やたら古臭く感じたのと、ルー・リードのけだるいヴォーカルがいまひとつ好きになれなくて、10年近く聴くこともなかった。なのに、なのにである。26歳の頃、久々に聴いたときに、当時の私の心情とシンクロしている世界観が「ボワン!」と広がった。それまで、ぼんやりしていたヴェルヴェッツの輪郭がハッキリと見えたような気がしたのだ。

 それから、ヴェルヴェッツのアルバムを買い漁り、今ではM4「Pale Blue Eyes」など、死んだら棺桶の中に入れて貰おうと思うほど、私にとって最高の曲のひとつとなった。日々音楽シーンは変化していくが、聴き手の好みも変わっていく。これだから、音楽はあなどれない。

© POLYGRAM RECORDS INC.

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by velvet_iris | 2004-08-07 16:17 | T/U/V
Vixen / Vixen(1988)
a0026447_15391781.jpg 女性4人組のHRバンド、ヴィクセンの1stアルバム。今になって思えば、当時のLAメタル・ムーヴメントに乗って登場したことは必然だったのだろう。大袈裟に言うなら、ローティーンのガキんちょバンドが出現してもおかしくはなかった。多くのHRバンドが逆毛を立てて、メイクを施してした時代。いくら美しく着飾っても所詮男性だった中、本当にグラマラスで華のある女性ばかりの、このバンドのルックスは際立っていた。

 サウンドはエッジの効いたギター主体のポップ&ハードで、80年代のHeartファンならきっと好きな曲が見つかるだろう。M4「Edge Of A Broken Heart」は、当時勢いのあったリチャード・マークスが提供した曲で、いかにもという感じがするし、M10「Cryin'」も80年代らしい名バラードだと思う。

 日本でも同時期に、寺田恵子さん率いるShow-Yaとか、金子美香さんのBetty Blueみたいに、ソコソコ頑張った女性HRバンドもいたけれど、いまいちメジャーになりきれないのは、海外も同じ。HRってやっぱり男性主導の音楽なのだろうか。まるでお笑い芸人の世界みたいだ。個人的に森三中は好きだけれども。

 ■ 超クールな森三中のサイトはコチラ
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by velvet_iris | 2004-08-05 15:41 | T/U/V
T.Rex / Great Hits(1973)
a0026447_19839.jpg ロックは伝説の宝庫だと思う。それが“ゴシップ”や“後付け”されたものであっても、かっこいい音楽を聴いているうちに魅惑の世界へ引きずり込まれてしまう。とくに1960〜1970年代には伝説のロック・スターが数多く存在した。もちろん、その多くは死んでしまったことで伝説となってしまった訳だが…。

 グラムロックの代名詞、マーク・ボランもそのひとりだ。

 本作はT.Rexが1973年に発表したベスト・アルバム。前4作のアルバムには収録されていなかった、シングルヒットを含む14曲が収録されている。M4「Metal Guru」、M8「20th Century Boy」はCMなどでも使用されてあまりにも有名。思わずハンドクラップしながら腰が動いてしまいそうになる。

 M10「The Slider」のけだるいリズムとヴォーカルが大好きだし、M11「Born To Boogie」やM13「Shock Rock」は前出の2曲よりもT.Rexらしさがあると思う。個人的には「Get It On」や「Hot Love」が加わっていれば言うことなかった。

 いつの日にか彼の生涯を映画化してほしい。もちろんマーク役はジョニー・デップで。
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by VELVET_IRIS | 2004-07-08 19:09 | T/U/V
U2 / The Joshua Tree(1987)
a0026447_113658.jpg 最近、懐かしい洋楽を耳にすることが多い。主にテレビでだ。

 バラエティ番組のジングルとかでマニアックなHR/HMバンドのリフとかが流れるとハッとする。メジャーなものを挙げれば、月9でQueenの「I Was Born To Love You」、邦画主題歌にJourneyの「Open Arms」、The Eaglesの「Desperado」。ひと昔前ではThe CarpentersやBee Geesもテレビからだっけ。

 きっとリアルタイムで聴いていた世代が、制作サイドで決定権を持つまでに出世したのかな、とか想像したりする。そうなると、2020年くらいにはRadioheadとかが再注目されるのかもしれない。

 今日紹介するU2のアルバムでもM1「Where The Streets Have No Name」がニュース番組のオープニングに、M3「With Or Without You」が先日亡くなった野沢尚さん脚本のドラマで使われてました。

 発表当時は「War」に比べ、洗練され過ぎの感じがして寂しかったけれども、それだけ幅広い人達に印象を残し、現在まで愛し続けられる曲が多いというのは、優れたアルバムという証拠なんだろうな。

 ちなみに、私ならDeep Purpleの「Burn」を三菱ふそうのCMに使いたい。抗議殺到だろうけど(笑)。
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by velvet_iris | 2004-07-01 11:38 | T/U/V