カテゴリ:J/K/L( 24 )
JET / Shine On(2006)
a0026447_132352.jpg このブログをはじめたのは二年前のロックの日。メインテーマは洋楽アルバムのレビューだった。「アルバム名で検索した人が私の記事を読んでくれたらいいな、そういった人達へのバイヤーズ・ガイドになれたらいいな」という思いから当初は毎日のように更新していたが、やがてブランクが空くようになり、最近はアルバムレビューすら書くことがなくなってきた。でもたまには書こう。Don't Forget 初心! そう思わせたのは自分自身が書いた「Get Born」のレビューを久しぶりに読んだからだ。

 ジェットのデビューアルバム「Get Born」のレビューを書いたのは二年前の六月。まだ“ロックンロール・リバイバル”という表現がまかり通っていた時期なので「ブームが終わってしまえばどうなる」なんて心配している過去の自分がとても恥ずかしい(笑)。デビューから三年、フランツ・フェルディナンドやアークティック・モンキーズのような新しいバンドの台頭はシーンの新陳代謝を促し、ロックンロール・リバイバルというムーブメントはすでに過去の表現となった。ここへきて2ndとなる新作「Shine On」が先週リリースされたわけだが、私が抱いた心配は吹っ飛んだ。ジェットはやはりジェットだったのだ。1stに収録されていた自然に身体がリズムを刻んでしまうようなアップビートなナンバーや美しいハーモニーで聴かせるバラードなどは本作でも継承されているばかりか、洗練され一段とスケールアップしている。rockin'on誌では山崎洋一郎氏が「スタジアム・ロック的」と表現しているが、具体的に言ってしまえばオアシスやステレオフォニックス的だということだろう。M4“Bring It On Back”やM14“All You Have To Do”といったバラードはまるでオアシス。そしてその先に垣間見えるのはもちろんビートルズだ。ビートルズといえば同誌の松村雄策氏にいたっては「すごいことになっている。(中略)百倍は良いかもしれない」と1stと比較している。百倍はいくらなんでも褒め過ぎだ。それに1stはあれはあれで良く考えて作り込まれている。しかもそれを勘ぐる冷静さを与えないラフさがあった。本作に1stのようなラフさが感じられず、やたら洗練されている印象を受けるのは1stよりもバラード〜ミディアム調の曲の比率が高いことも一因かもしれない。

 1stを「全然テスト勉強してない」と言っておきながら80点取ったクラスメイトだとすれば、本作は牛乳瓶のような眼鏡をかけたガリ勉タイプが100点を取った感じの「優等生」的な良作だ。良いアルバムとなって当然。個人的にはもっとハメを外して欲しかったが、一聴しただけで気に入るアルバムはそんなに多くない。1stが気に入った人にはすんなり受け入れられるだろうと思う。
[PR]
by velvet_iris | 2006-10-09 01:11 | J/K/L
Joan Jett & The Blackhearts / Sinner(2006)
a0026447_2142997.jpg 昨日の“ロックの日”にHMVで予約していたジョーン・ジェットの新作「Sinner」が届きました。早速聴いてみてびっくり。14曲中のうち、10曲は前作の「Naked」の収録曲だったのです。しかも1曲は「Album」収録曲なので実質的な新曲は“Riddles”“A.C.D.C.”“Change The World”の3曲のみということになります。先日このブログで一報をお知らせしたときにトラックリストも掲載していたにもかかわらず、興奮してたせいで見落としていました。

 一体どういうことなのかと思いオフィシャルサイトやらamazon.comなどで調べたところ、前作「Naked」は日本のみでリリースされていたそうで、本国では“輸入盤”という扱いだったようです。つまり、日本で「Naked」というタイトルで大幅先行リリースした新譜を、アメリカでは数曲を入れ替えて「Sinner」というタイトルでリリースしたということでしょうか。となると、アメリカでは94年の「Pure & Simple」を最後に12年ものあいだオリジナル・スタジオ・アルバムとしてのリリースが無かったということになります(もちろん、そのあいだにギッツ名義や企画盤、ベスト盤はリリースされています)。その事実を知って「苦労してるんだなぁ」という想いと同時に、「日本人で良かったなぁ」としみじみ感じます。アメリカで12年ものあいだ新譜がリリースできない状況であっても、日本ではJVCがリイシューや紙ジャケ化そして「Naked」のように大幅先行リリースをしてくれていましたから。アメリカのファンはそれを逆輸入して聴いている状態が長く続いていたんですね。ジョーンの公私におけるパートナー、ケニー・ラグーナも語ってましたが、ランナウェイズ時代から彼女の才能をいち早く認めた日本そしてJVCへの感謝の気持ちがあるからこそ、日本において“過去の人”にならないで済んでいたのです。

 そんなわけで“ほぼNaked”な本作ですが、新曲M1“Riddles”はブッシュ大統領の声がサンプリングされ、政府のことを「謎」と皮肉っています。クレジットに名を連ねているのはリンダ・ペリー。試聴したときに気に入ったM2“A.C.D.C.”はスージー・クアトロなどへの楽曲提供で知られるニッキー・チンとマイク・チャップマンのコンビによって書かれた曲ということが分かりました。カヴァーなのかなと思って調べてみるとビンゴ。70年代に活躍したイギリスのバンド、スウィートが1975年にリリースした「Desolation Boulevard」のUS盤に収録されているようです。M6“Change The World”はスピード感溢れる曲。ひたすら「世界を変えよう」という歌詞は争いや不公正に対しての静かな怒りという感じでしょうか。“A.C.D.C.”のPVを期待していたエンハンスド映像はレコーディングの模様を収録したものでちょっとガッカリ。でも「Naked」を持っていない人には強くおススめできるアルバムです。
[PR]
by velvet_iris | 2006-06-11 02:19 | J/K/L
Led Zeppelin / Led Zeppelin II(1969)
a0026447_2322174.jpg 安倍なつみ、オレンジレンジ、田口ランディ。あるキーワードで検索すると、これらの名前が洪水のようにヒットする。そう、そのキーワードは“盗作”である。辞書によると「他人の作品の全体または一部を、そのまま自分のものとして無断で使うこと」とある。盗作行為が非難されるのは、この“無断で使うこと”にあると思う。オリジナルの作者に許可を得た映画などは「リメイク」、音楽なら「カヴァー」と呼ばれ、作品の出来に対する非難はあっても、行為自体が非難されることはないからだ。

 本作はレッド・ツェッペリンの2作目で、ビートルズの「アビィ・ロード」を1位から引きずり落とし、現在のハードロックの原点になったとも言われる有名なアルバムだ。が、その一方で、既存のブルーズを引用し、自分達のクレジットにしたことで訴えられたり批判を浴びたアルバムでもある。例えば、M1「Whole Lotta Love」は、マディ・ウォーターズが歌った「You Need Love」の歌詞をまるごと引用したとして、作者のウィリー・ディクソンに訴えられた。M3「The Lemon Song」も、元々はツェッペリンがライヴで、チェスター・バーネットの「Killing Floor」をカヴァーしているうちに発展してできた曲であり、当初メンバー4人の共作とクレジットに掲載したため訴えられ、クレジットが変更されている。しかし、これだけ大胆な引用を行なったツェッペリンが、この後も名作を発表し、現在でも偉大なグループとして光り輝いているのは、引用したオリジナル作品へ敬意を払っていることと、オリジナル以上に作品を昇華させたことが大きい。たしかに「Killing Floor」はバーネットの作品だが、バーネットが「The Lemon Song」を作ったとは誰も感じていないだろう。事実“Led zeppelin”というキーワードで検索しても、盗作を糾弾する記事はほとんどない。あるのは賞賛ばかりである。

 上記に挙げた人たちの作品の場合は、全体ではなく一部分が酷似しているものがほとんどだ。その作品が意図的に盗まれたものか、偶然の一致なのか、ここで触れるつもりはない。特に音楽の場合、メロディを生み出す音階やコードには限りがあり、すでに出尽くしたとも言えるだろう。曲作りの経験がある人なら、自分が聴いた音楽がプレイに出てしまうことを知っているし、それは逃れられない運命みたいなものだと感じているはずだ。単なる“盗作”呼ばわりされない作品にできるかどうかは、本人次第なのである。

 えっ、そんなスキンを使っている人間に言われたくない? ごもっとも(笑)。えへへ♪
[PR]
by velvet_iris | 2005-04-10 23:26 | J/K/L
Joan Jett & The Blackhearts / Jett Rock(2003)
a0026447_1704777.jpg 今年のエイプリル・フールもインターネットの世界ではいろんなジョークが飛び交った。そんな中、ギターウルフのオフィシャル・サイトでは真っ黒な背景にメンバーの画像。そして次のようなコメントが掲載された。「3月31日未明、ビリーこと関口秀明が、心不全の為亡くなりました。享年38歳でした」 私はビックリした一方、エイプリル・フールのジョークだろうと思った。しかし、2日以降になってもオフィシャル・サイトはそのままだった。ジョークなんかではなかったのだ。

 今日のアルバムはジョーン・ジェットのベスト・アルバム。2003年の来日に合わせて発表された日本編集盤で、選曲は彼女とギターウルフのセイジ。どうやらセイジは、ジョーンと誕生日も同じで大ファンらしく、ジャケットに写るジョーン・グッズも、セイジの私物だそうだ。選曲のほうもなかなかで、全22曲のうち、M1「Cherry Bomb」やM6「I Love Rock N' Roll」といった定番をしっかり押さえつつ、ファン・クラブ限定だったものを含めた未発表曲が7曲。ジョーンが女優としてスクリーンに立った映画「愛と栄光への日々」(1987年・アメリカ)からは、ブルース・スプリングスティーン作曲のM13「Light Of Day」や、共演した俳優、マイケル・J・フォックスの弾くギターも聴く事ができる劇中歌のM21「This Means War」も含まれており、初心者はもちろん、昔からのファンにも喜んで迎えられるベスト・アルバムになったと思う。

 それまでギターウルフの名前くらいしか知らなかったが、渋谷クアトロで行なわれた彼女の前座としてギターウルフのステージを観た。観客のほとんどはジョーン目当てだったと思うが、3ピースならではのシンプルでストレートなサウンドと、まるでステレオタイプと言って良いほどの全身黒ずくめの風貌で会場を暖めてくれた。日本よりも海外で認知されていたようで、オフィシャル・サイトの掲示板には英文の追悼メッセージが多い。あらためて冥福を祈ります。

 ■ ギターウルフのオフィシャル・サイトはコチラ
[PR]
by velvet_iris | 2005-04-09 17:06 | J/K/L
...Like A Bolt Of Lightning / Juliette & The Licks(2005)
a0026447_1222490.jpg いわゆる「二足のわらじ」を履く兼業ミュージシャンは多い。ヤンキースのバーニー・ウイリアムスやWWEのスーパースター、ジョン・シナなど、スポーツ界に身を置きながら音楽界に進出する者は稀だが、俳優など演技の世界から音楽界に進出する者は多い。キアヌ・リーヴスやラッセル・クロウはバンドで、ヴィンセント・ギャロはソロとしてCDデビューしているのは有名だ。しかし、私はそれらの作品をほとんど聴くことはない。もともと音楽界から転身したアーティストの作品に比べると、どうせ大したことないだろうと思っていたからだ。

 今日紹介するジュリエット・ルイスも、一般的には女優という認識が強い。数々の作品に出演し、アカデミー賞とラズベリー賞の両方にノミネートされた経験を持つ彼女。私が思いつく彼女の代表作といえばやはり、凶悪なヒロイン、マロリーを演じた映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ」である。同映画のサントラでもハスキーな歌声を披露している彼女は今年32歳だが、もともと「若い頃からやりたかった」らしく、女優というキャリアに悪影響を及ぼすのではという周囲の懸念も全く気にしていない。考え方が既にロックである。肝心な音のほうも、イギー&ザ・ストゥージズやパティ・スミス、プリテンダーズに影響を受けていると公言しているように、エネルギッシュなパンク寄りのロック。パンクといっても、うるさ速い第三世代パンクではないし、女性ヴォーカル好きという人にはもってこいだ。ディスティラーズのように疾走感のあるM2「Comin' Around」も良いし、M3「Got Love To Kill」のように耳に残るメロディはホールを彷佛とさせる。実際に元ホールのドラマー、パティ・シュメルもゲスト参加しているが、M5「American Boy」に代表されるように、全曲がバンドサウンドに仕上がっているのはご立派。オフィシャルサイトではM1「Shelter Your Needs」の2ヴァージョンのPVもアップされているが、さすが女優。存在感がもの凄い。ライヴでも結構過激なパフォーマンスをしているようだ。

 結成は2003年らしいが、ジュリエットのスケジュールの厳しさゆえに現在までにリリースされたのはこのEPだけ。それでも5月にはフルレンス・アルバム「You're Speaking My Language」をリリース予定。夏にはフジ“アーティストの青田買い”ロックフェスティバルで来日するというのだから、これは「大したことある」かもしれない。

 ■ バンドのオフィシャルサイトはコチラ(音出ます)
[PR]
by velvet_iris | 2005-03-18 01:26 | J/K/L
Lisa Loeb & Nine Stories / Tails(1995)
a0026447_20391593.jpg 「洋楽CDといえば輸入盤?国内盤?」と聞かれたら、私は迷わず国内盤だと答える。理由は4つあるのだが、そのひとつがケースに付属している“帯”だ。開封後すぐに帯を捨ててしまう人も多いようだが、貧乏性の私はケースの内側にいつまでも残している。それはアナログ盤の頃からの習慣になっているのだが、いざ昔のCDを聴くときに「待望のニュー・アルバム遂に完成!」なんていうコピーを読み返すのは意外と楽しかったりする。

 今日のアルバムの帯コピーは「リサが奏でる都会のおとぎ話。全米No.1シングル『ステイ』で彗星の如くシーンに登場したリサ・ローブ&ナイン・ストーリーズ。待望のデビュー・アルバム遂に登場!」。そう、今年デビュー10周年を迎えたリサ・ローブのデビュー・アルバムである。今年1月に初のベスト盤(日本のみ)をリリースし、毎年のように来日しているメガネっ娘にもこんな時代があったのね、としみじみしてしまうではないか。現在のリサ、そしてこのアルバムが存在するのもM13「Stay」のヒットがあったから。当時レコード会社に所属すらしていなかった彼女が、友人であり俳優のイーサン・ホークに誘われてこの曲をレコーディングしたのがきっかけだそうだ。それ以降、ビルボード3週間トップ、アルバム・デビュー、…あっという間の10年なのだから、見事なシンデレラっぷりである。

 ちなみに、手元に残っている帯の金額表記は2,500円。その後1,835円となり、来月には1,470円の廉価盤も発売される。再発を繰り返すのは優れたアルバムの証拠でもあるのだ。こういう箇所でも時代を感じることができる帯はやはり良いなあ(しみじみ)。
[PR]
by velvet_iris | 2005-03-09 20:43 | J/K/L
Kiss / Kiss Symphony:Alive IV(2004)
a0026447_19572426.jpg 邦題「地獄の交響曲」。2003年2月28日にメルボルンで行なわれたコンサートの模様を収めたライヴ盤だ。キッス・ファンならお馴染みだが、タイトルの「Alive」というのはキッスのライブアルバムに冠されるいわば“ブランド”であり、本作が第4弾の「Alive」ということになる。1975年の「Alive」以来、3作をリリースしたものの「Alive III」以降のキッスは10年間で新作(スタジオレコーディング)を2枚しか発表しておらず、ツアーでも定番の曲が多いため「Alive IV」は当分先になるだろうと思っていたものだ。

 だが、そこは“ロック界の錬金術師”ジーン&ポールである。オーケストラとの競演というアイデアで見事に「Alive IV」を実現させたのである。もちろん、ハードロックとオーケストラの競演は斬新なことではない。ディープ・パープルをはじめ、あのメタリカまでもが既に実現・成功させている。それでもキッス・ファンであれば、「いったいどんな風にアレンジされるんだろう」という興味をそそられてしまうものだ。コンサートから一年以上経過して発売された本作を聴いて、ほとんどクラシックを聴かない私が抱いていた「変に上品になったりしないか」という心配は無用だった。音が分厚いのである。「Love Gun」のようなハードなナンバーはより重厚に、「Beth」のようなバラードはより美しいアレンジに仕上がっている。もちろん、「Alive III」以降の「Psycho Circus」などもバンドのみの演奏で収録されており充分に満足できた。

 ちなみにメンバーは不動のポール、ジーンに加え、ピーター・クリスが復帰している(このあと再び脱退)。おそらく古くからのファンが満足できないというならば、離脱したエース・フレイリーに代わりトミー・セイヤーがギターを務めていることだろうか。
[PR]
by velvet_iris | 2005-03-02 20:00 | J/K/L
Lisa Marie Presley / Lisa Marie Presley(2003)
a0026447_19285088.jpg 「不幸な星の元に生まれた」という表現がある。不幸な出来事や辛い人生は全て運命で決められていたということだ。昨年ブレイクしたお笑いコンビ、カンニングの二人はまさにそうではないだろうか。12年前のコンビ結成以来、本業であるお笑いの収入だけでは生活できずアルバイトは欠かせなかったという二人。遅い春がやってきたのはつい昨年のことである。お笑いブームに乗ってテレビ出演も増え、「さぁ、これから」という昨年末、中島の姿がテレビから消えた。急性リンパ球性白血病で長期休業である。聞けば中島は昨年結婚し、長男が産まれたばかりだというではないか。そんな「物入り・稼ぎ時」に活動できないというのは不憫だ。これが運命だとしたら残酷である。病状会見の席で竹山は「中島が復帰する頃にはお笑いブームが終わっているかもしれません」と笑いを誘ったが、会見に詰め掛けたレポーターをはじめ、笑えない人も多かったようだ。

 それでは、リサ・マリー・プレスリーは「幸福な星の元」に生まれてきたのだろうか。彼女も間違いなく運命を背負って生まれてきた一人である。1963年、エルヴィス・プレスリーの長女として生まれた彼女は「私が生まれた日から、マスコミはそこにあった」と語っている。スーパースターの娘に生まれたことで、生まれた瞬間からマスコミに注目されてきた彼女。抜群のプロポーションを持っている訳ではないが、ELLEやVOGUEのモデルとして活躍してきた。彼女のように激太りや激ヤセを繰り返すようではモデル失格の烙印を押されても当然であるのに、それでも厳しいアメリカのショウビジネス界を渡ってこれたことは、やはり父親の存在が大きいのだろう。そしてエルヴィスを父に持たなければこのデビューアルバムも実現しなかったに違いない。プロデュースにはキャピトル・レコード社長のアンドリュー・スレイター、ライター陣にはスマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン等といった「超VIP待遇」で制作された本作は、全編非の打ちどころのない傑作だった。しかし、素晴らしい楽曲に彼女のハスキーな声、そして「エルヴィスの愛娘デビュー」という強力なキャッチが武器だったにもかかわらず、セールスはやっとゴールドディスクといった結果にとどまっている。私生活でもマイケル・ジャクソンやニコラス・ケイジといった有名人との結婚・離婚を3度も経験している彼女の運命は決して幸福ではないのかもしれない。

 ところで、カンニングの竹山は現在一人で頑張っているようだ。もともと注目されるのは竹山のキレ芸だったのでなんとか生き残っていけるかもしれない。半年もしくは一年後、中島が復帰してきたときにブームが下火になっていようとも二人揃って漫才をして、二人揃って幸福になって欲しいものである。
[PR]
by velvet_iris | 2005-01-19 19:31 | J/K/L
Kiss / Ace Frehley(1978)
a0026447_17232723.jpg 以前にも書いたが私は紙ジャケットに弱い。多分それは私が“アナログ盤の世代”だからだと思う。LPレコードのナイロン製の内袋に包まれた盤を取り出し、ターンテーブルの上に置き針を落とす作業に払った注意というものは、ケースに保護されたCDでは味わえないものがあった。そんな緊張感を再び想い起こさせたのが紙ジャケである。意外と知られていないかも知れないが、紙ジャケCDを発売したのは日本が世界で初めてである。調べてみたところ、1994年3月にビクターが発売したジャズの紙ジャケシリーズが始まりらしい。

 今回紹介するエース・フレイリーのソロ作品(キッス名義)も1998年に紙ジャケで復刻されたもので、オリジナルは1978年である。「メンバー4人が同時にソロ作品を発表」という現在でも類稀な企画で、他の3人にもメイク顔ジャケットのソロ作品が存在しているが、サウンドもそれぞれの個性が出ており面白い。特にギター・プレイヤーであるエースのこの作品はじつに正統的で古典的なハードロックに仕上がっている。それはM1「Rip It Out」のリフから炸裂しており、カヴァーのM6「New York Groove」や、インストのM9「Fractured Mirror」まで、現在聴いてもあまり古さを感じさせない。エースはキッス脱退後、フレイリーズ・コメットという自身のバンドでもアルバムを発表しているが、そちらのサウンドのほうがLAメタルっぽくて時代を感じるのである。

 この日本が始めた紙ジャケはタイトルも増え、海外のレーベルからも出回るようになった。特に海外のレーベルは忠実に復刻しているものが多いので見過ごせない。日本の紙ジャケには見開きでなかったり、ZEPのアルバムのようなギミックを無視した作りも多いので注意が必要。たしかに“アナログ盤世代のノスタルジー”を刺激されるのは嬉しいが、そういう細部のこだわりを無視したものは「たんなる紙」でしかないと思うのだ。
[PR]
by velvet_iris | 2005-01-17 17:27 | J/K/L
The Kinks / Kinda Kinks(1965)
a0026447_21232028.jpg 当ブログで紹介するアルバムはiPodでシャッフル再生されたものだ。思えばiPodの出現によって私の外出先における音楽の聴き方が変わったものである。それまでは、アルバム1枚まるごと再生するか、好きな曲を好きな順序に編集して聴く事が多かった。それでも各メディアの録音時間には低い天井があり選曲に苦労した。それに、せっかく苦労して選曲したにもかかわらず、曲順が頭に焼き付いてしまっているためマンネリ化してしまい、いつしか音楽を外へ連れ出す事さえなくなっていたものだ。

 今朝iPodが再生したザ・キンクスも私にとっては、iPodがなければ外で聴く機会の少なかったバンドである。つまり嫌いではないが大好きでもないのである。キンクス・ファンには申し訳ないが、こればかりは好みの問題である。それでも「You Really Got Me」に代表されるように、現在のロックバンドへの影響は尊敬している。2ndとなる本作ではM6「Tired Of Waiting For You」や、ミックとボウイもカヴァーしたM7「Dancing In The Street」などが有名だが、他の60年代から活躍しているバンドに比べ、キンクスは家でたまに聴く程度だった。

 そして今日、アップルはまた新しいiPod「iPod shuffle」を発表した。フラッシュメモリを搭載したモデルであるため、従来のハードディスク搭載型のiPodよりも記録容量は少ないが、エントリーモデルの512MBタイプでも120曲程度の記録が可能である。512MBのフラッシュメモリが1万円と考えると割高だが、無料のiTunesと毎日のように連係させれば、3〜4万円もする従来のiPodの持つシャッフル機能を生かす事ができるのだから悪くない。同時に発表された「Mac mini」といい、いよいよ“敷居を下げ始めた”アップルに拍手を贈りたいのは私だけではないはずだ。

 ■ iPod shuffleの詳細はコチラ
 ■ Mac miniの詳細はコチラ
[PR]
by velvet_iris | 2005-01-12 21:25 | J/K/L