カテゴリ:A/B/C( 31 )
Aerosmith / Toys In The Attic(1975)
a0026447_1530288.jpg 邦題「闇夜のヘビイ・ロック」。キャリアの長いバンドの場合はファンの年代も様々で、またアルバムに対する思い入れもそれぞれ違ってくるものだ。エアロスミスもそうだが、特にエアロの場合は沈んでいた時期があったり、お世辞にも良いとは言えないアルバムが続いた時期もある(と思う)。しかし、この3rdアルバムは往年のファンや、90年代以降のファンにも愛されるアルバムの中の一枚ではないだろうか。オープニングを飾るタイトルナンバーM1「Toys In The Attic」をはじめ、定番のM4「Walk This Way」やM6「Sweet Emotion」、カヴァーのM5「Big Ten Inch Record」も良いが、個人的にはラストのM9「You See Me Crying」が大好きだ。80年代の「Angel」や90年代の「Cryin'」に匹敵するほどの美しさだと思う。

 15歳の頃、英会話の先生と音楽の話をしたときのことを思い出した。その先生はアメリカ人で20代後半くらい、当時流行っていたコメディ映画「ポリスアカデミー」のスティーヴ・グッテンバーグに似ていたので、友だちとの間では“マホーニー”というあだ名で呼んでいた。ある日の授業中、マホーニーが「音楽は好きですか?」という問いと共に「好きなミュージシャンを教えてください」と質問してきた。周りは「レベッカ」だとか「ボウイ」と答えるのだが、来日して間もないマホーニーが日本のバンドを知る訳がない。案の定、「私は知りません。どんな曲か教えてください」と歌わせようとするのだ。私は「その手には乗るものか」とアメリカ人でも分かるだろうと「僕はグランド・ファンクとかエアロスミスを良く聴きます」と答えた。すると「昔のバンドですね。今のアメリカ人はほとんど聴きません」と鼻で笑われてしまったのだ。少々カチンと来た私が「先生は誰が好きですか?」と聞き返すと「僕はビリー・アイドルを聴いているよ」と言い歌い出した。あまりの下手な歌いっぷりにクラス中は爆笑だったが、正直「ああ、エアロはやっぱり古いのかあ」とも感じたものだ。それだけに、その翌年RUN D.M.Cが「Walk This Way」をカヴァーしたことにより、エアロが復活したことは嬉しかったのである。
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by velvet_iris | 2004-11-23 15:34 | A/B/C
Bon Jovi / 7800 Fahrenheit(1985)
a0026447_163644.jpg 日本という国は、こと外国音楽においては寛容で豊かな国だと思う。街のCDショップへ行けばまず洋楽のCDは置いてあるし、ちょっとした大型店へ行けば「ワールドミュージック・コーナー」などが設けられており、世界中のあらゆる音楽CDを購入することができる。また、ファンも義理人情に厚く、一度気に入ったアーティストは決してメジャーでなくとも応援し続けるような気質は国民性だろうか。そういった日本のファンに支持され本国でブレイクしたバンドというのは珍しくなく、古くはクィーン、チープ・トリックなどが有名だ。ブレイクした結果、日本のファンに感謝を表すことで「相思相愛」となるバンドも多い。

 80年代後半にこのような「日本発」のブレイクを果たしたのがボン・ジョヴィだろう。彼らの成功のスタートは、デビューアルバム発売直後「スーパー・ロック'84」での初来日ステージだと言っても良いかも知れない。残念ながら私は体験できなかったが、中学の同級生が所沢球場で体験し、すぐに私に教えてくれたのだ。「ボン・ジョヴィはかっこいいよ!」と。以降バンドは毎年のように来日公演を行なっていた。いまや年末の恒例となった「年越しライヴ」を東京ドームで初めて行なったのもボン・ジョヴィだ。

 そんなボン・ジョヴィの2ndアルバムには、日本のファンへの友情の証としてM6「Tokyo Road」という曲も収められている。曲自体の出来はさておき、日本のファンはますます彼らを愛することになった。ちなみにアルバムタイトルの意味は「岩(=ロック)をも溶かす温度」の意味で、とくに邦題は付けられていない。もし、今発売されたなら「華氏7800」なんてベタな邦題を付けられたかも知れない。
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by velvet_iris | 2004-10-25 16:04 | A/B/C
Contraband / Contraband(1991)
a0026447_1742471.jpg 前回の更新から1カ月以上も間隔が空いてしまった。どうもネットする気分にならなかったのだ。元来、飽きっぽい性格で、個人ホームページを立ち上げても三日坊主に終わることが多かった。しかし、このブログに関しては手軽だし、ネタ切れも当分なく、なにより3カ月も続いたので習慣になってるつもりでいた。しかし、生粋の性格ってのはそう簡単には治らないものである。

 さて、更新が滞ったことを性格のせいにしたところで、今朝のアルバムはコントラバンド。ヴェルヴェット・リヴォルバーが「コントラバンド」というアルバムでデビューを飾ったことは記憶に新しいが、今から13年前に「コントラバンド」というプロジェクトも存在した。参加メンバーはこのような面々だ。

 vo:リチャード・ブラック(シャーク・アイランド)
 g:マイケル・シェンカー(MSG)
 g:トレイシー・ガンズ(L.A.ガンズ)
 b:シェア・ペダーセン(ヴィクセン)
 ds:ボビー・ブロッツアー(ラット)

 当時の人気HRバンドの夢の競演ではあるけれど、「バンドの顔」といえるのは、マイケルとトレイシーくらいで、やはり地味であることは否定できない。結成の経緯は、上記のバンドのマネージメントが同じだった事らしく、そのマネージメントの設立した新レーベル、「インパクト・レコード」の広告塔的な意味合いが強いと、伊藤政則氏もライナーに書いている。曲は全て外部のライターの作品だが、かなり厳選したらしく佳曲揃いだ。デヴィッド・ボウイのカヴァーM10「Hang On To Yourself」も、毛色の違う二人のギタープレイが楽しめて面白い。残念なのは、このアルバムを境に上記のバンドが衰退していった事だろうか。もちろん、このアルバムのせいではなく、当時のHR/HMシーンの衰退に原因があるのだけれど、私にとってそれを思い出させる一枚だ。
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by velvet_iris | 2004-10-22 17:04 | A/B/C
The Black Crowes / The Southern Harmony And Musical Companion(1992)
a0026447_11564569.jpg ブラック・クロウズが1990年にデビューしたときは、「ストーンズやフェイセズのようなレトロなロックンロール」と話題になったものの、当時の日本はストーンズの初来日で盛り上がっていた時期。私自身も、1stは購入したものの、このバンドよりもストーンズに夢中であまり印象に残らなかった。しかし、2年後の1992年、本作での全米初登場1位という快挙を引っさげて、私の前に戻ってきたバンドである。

 正直「劇的な変化でもしたんだろうか?」と恐る恐る聴いてみたものの、1stの路線と変わりなく、むしろ渋さが増したくらいだろうか。M1「Sting Me」やM2「Remedy」こそ「Jealous Again」のようなヒップさはあるけれど、全体的にはゆったりとしたイメージ。南部のバーとかで普通にラジオから聴こえてきそうな感じである。

 あらためて1stや本作を聴くと、いつのレコードだか思い出すのに苦労する。それだけ時代に迎合したサウンドではなかったということだろう。だからといって、単に古さをウリにしただけのバンドではなかった。好きな音楽だけをやっていた格好良いバンドだった。
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by velvet_iris | 2004-09-14 11:57 | A/B/C
Andrew W. K. / I Get Wet (2002)
a0026447_1411124.jpg 英NME誌が取りあげて有名になった、カリフォルニア生まれミシガン育ちの25歳、アンドリューW.K.のデビューアルバム。サウンドは、どうってことないパンク系ラウドロック。“勢いとノリ”くらいしか誉めどころがない曲のためか、どうも“おバカなキャラクター”を強調したプロモーションに必死のようだ。それは「パーティ・一直線!」という邦題サブタイトルや、全曲に付けられた邦題からもよく分かる。

 ある意味、アルバム収録曲の全てに邦題がついているのは、今となっては逆に新鮮だ。しかし、確信犯丸出しなのが笑えない。「パーティの時間がやってきた!」「パーティー・一直線」「あの娘は愛を独り占め」「爆死上等!」「脱いじまえ!」はまだいい。「好き好きニューヨーク」というセンスも許そう。「人生は楽しむものだから」も良いじゃないか。しかし、「汗にまみれてパーティー三昧」とか、「宴を求めて三千里」はフザけすぎだろ。極め付けは「ヤラせろ!」である。さらに寒いのがライナーの解説だ。ロッキング・オンの山崎洋一郎氏によると「本作を購入し、聴いて盛り上がっている人は、実はかなりロック偏差値の高い人たちなんじゃないかという気がする」「自分の偏差値の高さはそれ以上に偏差値の高い奴にしか破れないものだ。曲がりなりにもこのアルバムに“サイコー!”と叫んでしまった自分としては、そうあってもらわないと困る」なんて書いてあるのには呆れてしまう。

 以前紹介した、ザ・ダークネスのデビュー時にも、「よほどの天才か、それともただのバカか」なんて話題になったが、間違いなくこっちのほうがバカ(笑)。でも、脳天気なパーティロックは気分を高揚させるにはもってこいだから、サポートアクトにはうってつけだと思う。メインで聴きたいとは思わないけれど。
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by velvet_iris | 2004-09-09 14:18 | A/B/C
Alice Cooper / Trash(1989)
a0026447_1749534.jpg 今朝はアリス・クーパーが1989年に発表し、久々のヒットとなったアルバムから。ヒットの大きな要因は、プロデューサーにデズモンド・チャイルドを起用したことだろう。エアロスミスの復活やボン・ジョヴィのブレイクに貢献し、当時のアメリカのHR/HMでヒットを連発した“売れっ子”プロデューサーであり、ソングライターでもある。アルバム全ての曲がキャッチーに仕上がっており、当時LAメタルを聴いていた人なら、アリスのダミ声が苦手な人でも充分聴けるアルバムだと思う。

 また、アリスをリスペクトするミュージシャンの手助けが大きかったのかもしれない。M5「Only My Heart Talkin'」で参加しているスティーヴン・タイラーや、M9「Hell Is Liveing Without You」を提供したジョン・ボン・ジョヴィとリッチー・サンボラと共に雑誌などへの露出も多かった。そのほか、シングルヒットしたM1「Poison」のPVもよく流れていた。

 このアルバムでのツアーで来日し、NHKホールでショウを行なった。私はチケットを持った友人と丸井の前で待ち合わせをしたのに、開演時刻になっても会えなかった。当時はもちろん携帯電話を持っていないので連絡がつかず、結局、ショウが終わり、観客が出てくるまでNHKホールの前でたたずんでいたのを思い出す。だから、もう一度、来日して欲しいと心から願っている。
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by velvet_iris | 2004-08-28 17:49 | A/B/C
Charlie Sexton / Charlie Sexton(1989)
a0026447_1416448.jpg ティーンエイジでデビューするミュージシャンは珍しくない。とくに、アイドルと呼ばれる「際立った容姿」を持つ者は、ハイティーンというよりはむしろ、ロウ、ミドルティーンでデビューするケースも多い。ただ、そのほとんどはシンガーが多く、プレイヤーとなるとぐっと減るように思う。私の頭の中で真っ先に浮かんだのは、ニール・ショーンとゲイリー・ムーアだ。残念ながら、この二人の容姿が際立っていたかどうかは微妙だが、プレイヤーとしての実力と際立った容姿を兼ね備えていたミュージシャンをひとり覚えている。

 今朝のアルバムは、チャーリー・セクストンの2ndアルバムで、邦題は「ドント・ルック・バック」。10歳くらいから活動をはじめた彼は、16歳にして「Picture For Pleasure」(1985年)でデビューした。1stこそ、時代に迎合するかのようなシンセ・サウンドも含まれていたが、十代とは思えない渋い声とキレの良いカッティングは印象的だった。また、長身で黒い髪、青い瞳に、彫りが深くピンクがかった頬の「際立った容姿」は、当時のアイドルと同じ誌面に登場するくらいクローズアップされたものである。2ndとなる本作では、ブルーズとR&Bを基調としたギタープレイで、アメリカン・ロックの王道を聴かせてくれるが、そのルックスに魅了されたファンには早熟すぎたのか、次第に誌面からも消えていくようになる。
 
 ただし、本作M1「Don't Look Back」でのコーラスにブライアン・アダムスが参加しているように、ミュージシャンからの信頼は厚く、その後も映画のサントラやセッションワークで活動を続けている(BOOWY解散後の氷室京介のバックは有名)。1999年頃になって、ボブ・ディランのバンドでツアーやアルバム制作に参加したりと、久しぶりにメジャーどころで名前を見かけるようになったが、最近は、また見えない世界へ潜ってしまった。たしかまだ36歳くらいのはずである。円熟味を増した声とギタープレイを是非、自身のアルバムで聴いてみたいものだ。
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by velvet_iris | 2004-08-24 14:24 | A/B/C
Aerosmith / Pandora's Box(1992)
a0026447_15104088.jpg 邦題「パンドラの箱」。エアロスミスの第一次コロンビア在籍時代に録音した曲を、リミックス/リマスタリングした3枚組で、スティーヴン・タイラーが以前に在籍していた「チェイン・リアクション」というバンドの曲も収録されているほか、オリジナルとは別のテイクや、ライヴやセッションの音源も数曲含まれており、マニアにはたまらないご馳走だと思う。

 1-M1「When I Needed You」がチェイン・リアクション名義のシングルB面曲だが、録音が1966年ということもあり、スティーヴンの声が若い。1980年代にエアロを知った私がさかのぼって「野獣生誕」を聴いたときにも感じたことだが、それよりも繊細な声にまず驚いた。3-M20のインスト曲はシークレット・トラックとなっているが、どうやら1970年代のレコーディング中に録音されたセッションのようだ。また、メンバーのライヴショットやオフショットの写真が満載の、128ページに及ぶブックレットもファンにとっては嬉しい。全曲の歌詞・対訳はもちろんのこと、曲ごとにメンバーのコメントが添えられていたり、GN'Rのスラッシュをはじめとする他のア−ティストからの賛辞や、BAY FM「パワーロックトゥディ」のリスナーによるコメントも掲載されている。

 ちなみに、CDDBから取得したこのCDのアルバム情報には、ご丁寧にトラック別に収録年が入力されていた。それは良いのだが、途中で挫折した感があるし、しかも間違った情報になっているので注意してもらいたい。修正しようかと思ったが、そのままにしておいた。だって53曲もあるんだもん。
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by velvet_iris | 2004-08-22 15:14 | A/B/C
Cocco / ブーゲンビリア(1997)
a0026447_13281341.jpg 現在のところ私のiPodから聴こえてくる日本語は、ひとりの女性の声だけである。今朝の1曲目はその女性、Coccoのデビューアルバムからだった。

 私とCoccoの出会いは以前にも書いたが、何故このアルバムに惹かれたかといえば、まずサウンドなのである。ニルヴァーナや初期のレディオヘッドのようなギターロックが多く含まれていたからだ。M1「首。」や、このアルバムから唯一シングルカットされたM2「カウントダウン」、そしてM3「走る体」までは、いわゆるオルタナ系だ。そうかと思えば、M7「Sing A Song」やM10「やわらかな傷跡」のような優しいメロディの曲。さらには、アコースティックなM11「ひこうきぐも」など多彩である。

 ほとんどの作詞・作曲はCocco自身が行なっているが、当初のCoccoは譜面が読めず、楽器も出来なかった。イメージを具現化したのは、共同プロデューサーでもある根岸 孝旨氏(Dr. Strange Love)だ。根岸氏によると、初対面で何も喋らないCoccoに「どういったバンドを聴くのか」と訊ねたところ、「聴かないけれど、ニルヴァーナは知ってる」と答えたらしい。その一言がCoccoのサウンドを決定づけたのかもしれない。また、曲づくりは「Coccoが絵を描いたり、情景を言葉で語り、それをバンドメンバーに翻訳した」と、なかなか苦労したようである。

 当時、海外のオルタナブームは定着し、すでに「新しさ」は感じられなくなっていたが、Holeのような女性ヴォーカルは数少なかったし、Coccoの声はコートニーよりも断然澄んでいた。なによりも、こういうサウンドに乗って日本語の歌詞がストレートに入ってくるのは新鮮だった。M4「遺書。」はシングルカットされていない曲でありながら、その歌詞が強烈にファンに支持された曲である。

「遺書。」 詞・こっこ
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by velvet_iris | 2004-08-11 14:01 | A/B/C
The Beatles / 1(2000)
a0026447_15105556.jpg 成功をおさめた大抵のアーティストはベスト・アルバムを制作、販売することが多い。

 もちろん、レコード会社の思惑や、契約上やむを得ず、とかいろんな理由があるだろうが、いざ発表してみると選曲の内容についての議論が絶えない。「あの曲が入っていないのはオカシイ」とか、「このヴァージョンは気に入らない」とか様々な意見がある。ファンに投票させたり、アーティスト本人が選曲するアルバムもあるが、ベストというのは主観的なもので、聴いた本人がベストでなければ満足できないものだ。完全無欠のベスト盤とは“全曲が含まれている”ことになるのだろう。しかし、ロバート・ジョンソンじゃあるまいし、活動の長いアーティストには無理な話である。

 その点、このアルバムのコンセプトは「1位を獲得したシングル全曲の収録」だ。タイトル通り、全英・全米のチャートで1位を獲得したシングル27曲が1枚に凝縮されている。以前紹介したエルヴィス・プレスリーの「Elv1s 30 #1 Hits」もそうだが、ベスト盤というよりは“記録集”的なアルバムである。

 “ビートルズのヒット曲が多く含まれている1枚”をお探しのかたは是非。
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by velvet_iris | 2004-07-27 15:13 | A/B/C