Tommy(1975)
a0026447_17313985.jpg最近ではグリーン・デイの「American Idiot」で久しぶりに耳にした“ロック・オペラ”という言葉。そのロック・オペラの元祖と呼ばれるコンセプト・アルバムこそが1969年に発表されたフーの2枚組アルバム「Tommy」です。本作はその「Tommy」をケン・ラッセル監督が映画化したもので、フーのメンバーはもちろん、豪華アーティストがゲスト出演しています。

アルバムから生まれた「Tommy」は1972年に舞台化された後映画化。1992年からはブロードウェイ・ミュージカルとして世界中で公演してきました。そしてこのたび日本初上陸となったわけですが、“トニー賞5部門受賞”“20世紀最高のロック・オペラ”などの輝かしい讃辞とは裏腹に日本公演に限ってはどうも客入りが良くないという噂です。フーの日本での不遇は21世紀になっても続いてしまうのでしょうか。そんなことではいけません。トミーを知らないかた、ここで予習して厚生年金会館まで足を運びましょう。




a0026447_17321716.jpg物語の設定はオリジナルが第一次世界大戦末期の1921年なのに対し、映画では第二次大戦末期の1951年。
愛し合う二人は結婚しますが、男性・ウォーカーは戦場へ出征します。
やがて戦死の知らせが届きます。


a0026447_17324658.jpg戦争の終わった日、女性はウォーカーの子供を出産します。
その男の子はトミーと名付けられ、父親の愛情を知らずに育ちます。


a0026447_1734271.jpg戦争未亡人となった母。
しかしまだ若く美しい母親は恋人フランクと再婚します。
優しいフランクがパパになるなら、とトミーも賛成しました。


a0026447_17343414.jpgある晩、戦死したはずのウォーカーが帰還し、フランクと妻の関係に逆上してしまいます。
フランクは身の危険を感じ、ウォーカーを殺害してしまうのです。
ここはオリジナルとは逆になっています。


a0026447_1735221.jpgその一部始終を目撃し呆然としているトミーに、両親はこう言い聞かせます。
「何も聞かず、何も見なかった、誰にも話してはいけない」
トミーはその瞬間から目が見えず、耳が聞こえない、口が利けないという三重苦を抱えてしまいます。


a0026447_17353210.jpg何年か経ちトミーは青年となりますが、いまだに三重苦のままでした。
そんなトミーを治そうと両親はあらゆる手を尽くします。
モンロー教という偽りの宗教に頼る場面では、ドラッグ中毒まっただ中の頃のクラプトンも登場。


a0026447_17355844.jpgLSDを使うアシッド・クイーンは離婚したばかりのティナ・ターナーが熱演。
しかし、トミーの三重苦に変化は起こらなかったのです。


a0026447_1736326.jpg何も喋る事のできないトミーは様々な虐待を受けます。
従兄弟のケヴィンから受けるいじめ。
アルバム8曲目「Cousin Kevin」はジョンの書いた曲です。


a0026447_17365986.jpg性的虐待を加える叔父のアーニー役はドラマーのキース・ムーン。
キースは「ドラマーをやめて役者になる」というほど演技に熱中していたそうです。
めっちゃ怖い。


a0026447_17372642.jpg何も見えないと思われていたトミーですが、じつは鏡に映る自分の姿だけは見えていました。
ある日、鏡の中のもう一人の自分に誘われ廃車置場に行ったトミーは捨てられていたピンボール・マシンと出会います。


a0026447_17375090.jpgトミーのピンボールにおける才能を発見した両親は、トミーをピンボールの世界チャンピオンに挑戦させます。
この世界チャンピオン役を演じるのは、まだグラム色の残るエルトン・ジョン。
トミーはチャンピオンを破り、スターとなって富みと名声を得ます。


a0026447_17384079.jpg大金を手にしたトミーの両親は贅沢三昧の生活を送るようになります。
家、車あらゆるものを手に入れてもトミーの三重苦は治りません。
ジャック・ニコルソン扮する有能な医者に診せてもダメでした。


a0026447_1739579.jpg相変わらず鏡で自分の姿だけを見つめているいトミー。
どうしても心を開かないトミーを母親は責めてしまい、そのはずみでトミーは鏡に飛び込んでしまいます。
鏡が割れたその瞬間、トミーは本来の自分を取り戻すのです。


a0026447_17393087.jpgそれまで無表情だったトミーは笑顔を取り戻します。
ロジャーの笑顔のなんと美しいこと。
そして肉体も惚れ惚れするほどです。


a0026447_17395593.jpg「トミーが喋った」というニュースは世間を駆け巡ります。
すでにピンボール界のスターというレベルではなく、一般大衆のアイドル的な存在になっていたのです。
サリー・シンプソンを演じているのは監督の実娘ビクトリアです。


a0026447_17445889.jpgトミーの両親はトミーの人気を利用し、偽りの宗教を開くようになります。
トミー・キャンプを開いたり、トミーグッズを量販したり、それはエスカレートする一方。
盲目のように崇拝していた信者たちはある日、目が覚めてしまい…


アルバムに対訳がまだ付いていなかった頃、音楽だけではこの物語を把握することが私はできませんでした。
それからVHSでこの映画を観たのですが、あまりにもエキセントリックな映像表現と暗いストーリーにショックを受けると同時に、オリジナル・アルバムだけでは分からなかった物語の本筋が理解できてスッキリしたものです。
このDVDを買ってからは観るたびに少しづつ何かに気付いたりすることもあって、いわゆるスルメ・アルバムの映画版という感じです。このブログで紹介するために久しぶりに全編観直してみましたが、また新たな発見もありました。

現在キングレコードでは「ラッキープライスキャンペーン」として4月28日までの期間限定でリプライス、リイシューされた「Tommy」が税抜2,500円で販売されています。この機会に手に入れてみてはいかがでしょうか。

そしてブロードウェイミュージカル「Tommy」は3月19日まで新宿厚生年金会館で公演中ですが、前述のように客入りが芳しくないようなので、少なくともこのカンパニーによる「Tommy」を日本で観る事ができるのは最後のチャンスかもしれません。

収録時間:106分
音声:5.0chサラウンド/DTS 5.1chサラウンド/2.0ch Commentary
字幕:日本語/英語/音声解説用日本語
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by velvet_iris | 2006-03-12 17:40 | DVD
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