The Faces / A Nod Is As Good As A Wink... To A Blind Horse(1971)
a0026447_0375287.jpg フェイセズを聴いたことのない若いロック・ファンにとって、フェイセズというバンドの印象は「ロン・ウッドが在籍していたバンド」「ロッド・スチュワートが在籍していたバンド」くらいでしかないのかもしれない。私だって1971年生まれだからリアルタイムでは聴いていない。しかもHR/HMを専門に聴いていたので、フェイセズを知らなくて無理はない。しかし、大好きなアーティストのルーツをさかのぼれば決して避けることのできないバンドのひとつだった。

 たしかツェッペリンにハマり始めた頃、ロバート・プラントがスモール・フェイセズの追っかけだったという記事を読んで、スモール・フェイセズを聴いた。フェイセズはスモール・フェイセズのメンバーを中心にロンとロッドが加わった「新生スモール・フェイセズ」といったバンドである。事実、フェイセズの1stの「First Step」(1970)はスモール・フェイセズ名義となっている(のちに正式改名したらしい)。この頃のブリティッシュ・ロック界というのはものすごく狭い世界だったのか、MLBのトレードのごとくメンバーチェンジが繰り返されている。その節操の無さは「近親相姦」という比喩されることも多いほどだ。

 今日紹介する邦題「馬の耳に念仏」はフェイセズの3rdアルバムにして、黄金期の傑作と呼ばれるアルバムである。音の前にまずはジャケットで痺れてしまう。真っ赤なスーツのロッドに寄り添うロニー・レイン。ロンは少し離れてギターを弾いているようだが、同じステージ上に手拍子をする客が写っている。ロンのすぐ目の前にも客が立っていて、どうやら話し掛けているようにも見える。私も一度こんな距離で観てみたい(きっと酒臭いだろうなあ)。音のほうはライヴ盤ではなく、れっきとしたスタジオ・レコーディング盤。とにかく当時24歳のロンのギター・プレイがいい。とくにM9「That's All You Need」のスライドは一聴の価値あり。ヴォーカルはロッドとロニー・レインが曲ごとに分け合っているが、私はロッドのほうが好き。大ヒットしたM5「Stay With Me」もロッドのヴォーカルであり、ウッド/スチュワートのペンによるもの。リーダーであり、スモール・フェイセズ時代からペンを執ってきたロニー・レインの嫉妬というのは容易に想像できる。やはりというか、次作「Ooh La La」(1973)を最後にロニー・レインは脱退。ロッドはソロ活動、ロンはストーンズへ、残りの二人もスモール・フェイセズ再結成に向かってしまう。そしてロニー・レインは8年前、長い闘病生活の末51歳の若さで亡くなった。
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by velvet_iris | 2005-08-26 00:39 | D/E/F
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