Cinderella / Long Cold Winter(1988)
a0026447_0434797.jpg ギブソン・レスポール。それは1952年に誕生して以来、半世紀以上に渡りロックミュージシャンに愛され、ロックファンの耳を魅了してきたエレクトリック・ギターの名機である。しかし1980年代なかば、レスポールに苦難の日々が訪れた。愛用していたプレイヤー達が失速気味に姿を消し、レスポールを持たないヴィジュアル、テクニック重視のポップ・メタルバンドが台頭してきたのだ。彼らの多くは派手なペイント柄、アームユニット搭載で軽量なギターを愛用していた。例えばクレイマー、ジャクソン/シャーベル、B.C.リッチなどだ。

 当時、最前線にいた「レスポール御三家」といえば、ジョン・サイクス、エイドリアン・ヴァンデンバーグ、ジェフ・ワトソンだった。しかし、ジョンはホワイトスネイクを脱退し、エイドリアンはESPやピーヴィーへ持ち替え、ジェフもヘイマーを使用していた。そんな中、レスポールの「見た目が地味、ハイポジションが弾きにくい、そして重い」こんな三重苦を苦にせず、音へのこだわりを見せたのが、シンデレラのトム・キーファーである。ボン・ジョヴィの弟分バンドとして1986年にデビューしたバンドではあるが、ボン・ジョヴィのやっていたキャッチーなポップロックとは一線を画した、ブルージィでいささか地味なロックがこのバンドの特徴だった(ボン・ジョヴィのリッチーも一時期、アームユニットの付いた3ハムのレスポールを使用していたっけ)。本作はこのバンドにとって2ndにあたるが、どの作品よりもブルーズ色に磨きのかかった泥臭いロックンロールを展開している。特に、M2「Gypsy Road」やM7「Long Cold Winter」は現在でも名曲として語り継がれているほどだ。

 トム・キーファーによってブルーズ・フィーリングとレスポールが再認識され、その後のスラッシュ、ザック・ワイルドの登場と相成るわけである。それからは、かつてのレスポール愛用派が再びレスポールを手にシーンに戻ってきたり、新人でいきなりレスポールを使用するバンドも珍しくなくなった。あの頃の「レスポール・リヴァイヴァル」はシンデレラ無くして巻き起こらなかったとは思わないが、忘れることの出来ないバンドである。
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by velvet_iris | 2005-03-24 00:46 | A/B/C
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