The Strokes / Is This It(2001)
a0026447_16283071.jpg ファッションに流行りというのはつきもの。ボトムスの定番であるジーンズにも、微妙に流行り廃りがあるものだ。ストレート、スリム、フレアといったスタイルや色合いの違いはもちろん、わざと穴を開けたりワッペンで隠して個性で勝負した時代もあった。数十万もする「ヴィンテージ」を履いて、見えない部分で勝負するバカも多かった。最近、ショップへ行くと「レプリカ」や「ユーズドルック」なる加工品が目に付く。新品であるにもかかわらずダメージを与えられ穴が開いていたり、色落ちしている商品だ。

 本作はニューヨーク出身の5人組、ストロークスの1stアルバム。アメリカよりもイギリスで人気に火が付いて、「この時代に、このサウンドは新鮮」という好評価を受けていた。たしかにレトロな音質とシンプルな演奏、あっという間に終わる曲調は当時新鮮だった。やたら耳に残るリフも悪くない。しかし、いろんな音楽雑誌で「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのような〜」という例えが用いられたのは、いささか納得いかない。ヴェルヴェッツとの決定的な違いはバック・コーラスだ。ストロークスのこのアルバムには「Sweet Jane」のようなコーラスが一切無い。「Heroin」のような緊張感も無く、どの曲もテンポが同じ。単調なリズムにのせてけだるそうに歌っているだけだ。ヴェルヴェッツをジーンズに例えるなら「ヴィンテージ」だが、ストロークスは「レプリカ」程度。レプリカのジーンズは、穴が開いたり擦れている一本だけを見れば味わいがあって格好良い。しかし、店頭に並んでいるのを見れば全部同じ位置に穴が開いて、同じ位置が擦れている。所詮加工品、計算された見せかけの古さだ。当時ストロークスから火が付いた“ガレージロック・リヴァイヴァル”と呼ばれたムーブメントは、“レプリカジーンズ大売り出し”みたいなものだったのかも知れない。

 先のほうでヴィンテージのジーンズを履く人を「バカ」だと書いたが、ジーンズそのものの良さは理解できる。ただ、破格の金額を支払う行為が理解できないだけだ。ヴィンテージが高額なのでレプリカを買うという人も多いだろうが、レコードの金額に差はない。単に古くて良いものが聴きたいならストロークスじゃなくてヴェルヴェッツを聴きなさい、と私は声を大にして言おう。(でも、このアルバムのジャケットは大好き♪)
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by velvet_iris | 2005-03-12 16:39 | P/Q/R/S
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