The Jesus & Mary Chain / Psychocandy(1985)
a0026447_222724.jpg 最近何かと耳にする言葉のひとつに「DNA」というものがある。約30億文字からなるヒトの遺伝情報を含む分子だそうだが、文字配列のわずかな違いで髪や瞳の色が決まると言うのは実に神秘的だ。遺伝情報として脈々と受け継がれてものには「音楽の才能」というものもあるのだろう。親子代々音楽家という家庭もあれば、音楽家の兄弟や姉妹も多い。ロックの世界でも同じバンドに在籍している兄弟・姉妹を挙げれば、キンクスのレイとデイヴをはじめ、カーペンターズのリチャードとカレン、ヴァン・ヘイレンのアレックスとエディ、ハートのアンとナンシー、オアシスのノエルとリアム、最近ではダークネスのジャスティンとダン…などキリが無い。このジーザス&メリーチェインもウィリアムとジムが中心となったUKのバンドだ。

 発売当時HR/HM中心に聴いていた私がこのバンドを知ったのは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドにはまった後、巡り巡ってたどり着いてからなので、このバンドのデビューをリアルタイムで体験していない。当時は「セックス・ピストルズ以来の衝撃」と称される程だったらしい。その「衝撃」というのはおそらく今で言う「轟音ノイズギター」と「抑揚のないヴォーカル」、「メランコリックかつキャッチーなメロディ」ということではないかと推測できる。90年代のオルタナ系、スマッシング・パンプキンズや「パブロ・ハニー」の頃のレディオヘッドが台頭してきたときに「ジザメリをパワーアップさせたような」と感じた人も多いのではないだろうか。

 このデビューアルバムは発売から20年近く経とうとしている。最初に聴いたときに感じたのは、紫煙が漂う薄暗い夜の世界だが、それは今聴いても変わらない。全く古さを感じないのである。残念ながらこれまで私の周囲に、このアルバムが大好きだという人はそういなかった。それだけに、このアルバムを誉めてくれる人と出会うと、同じ世界が好きな人だなあと共感してしまう。そんな「同じ世界が好きな人」を思わぬところで発見したのは今年のことだ。劇場で映画「ロスト・イン・トランスレーション」(2004・米)を観ていたとき、エンディングでM1「Just Like Honey」が流れたのだ。監督は私と同じ年齢であるソフィア・コッポラ。「同世代だなあ」と思うと同時に、映画の評価にも星をひとつ追加したくなった瞬間だった。
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by velvet_iris | 2004-12-16 22:27 | J/K/L
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